先人達が生み出したモノの「力」を活かし日本を強くする。川端角のレトロ博物館について

 世の中には役目を終えて処分される「モノ」が溢れております。世に中の為に頑張って働き、その役目を終えたモノに敬意と感謝をということがこの博物館の目的です。なぜこのモノがあるのか、どんな役割をしていたのか、どんな人に使われていたのかなどの空想を巡らせながらご覧ください。多くの人に見てもらうことで役目を終えたモノは喜んでくれると思います。

 現役の時とは違う方法での再利用ということも有り得ます。例えば此処にある事務用の椅子。実に多くの人々がこれに座ったと思います。この椅子は多くの喜怒哀楽を見てきたはずです。多くの仕事を支えてきたはずです。尻に敷かれながらじっと重みに耐えてきた椅子。おそらく「ありがとう」と言われた事など一度もないはずです。そして新しい椅子が入ってきて、役目を終えたこの古い椅子はゴミとなり処分されるところでした。ところが運よくこの博物館へ運ばれてきました。「ありがとう」と言う言葉が博物館へきた年老いた新人への私たちの挨拶です。現在は博物館の営業案内を伝えるイーゼルとして働いております。第二の仕事は腰かけられる仕事ではなく人々を案内する仕事でした。此処に来て椅子はオイルで丁寧に磨き込まれました。するとアンティークならではの好い雰囲気を発するようになり、来た時の様な老いぼれから貫禄ある紳士となりました。此処の営業案内という仕事で多くの人の役にたっていることを喜んでいるのを感じます。

 博物館の展示品はご自由に撮影ください。彼らが「被写体モデル」という仕事をすることとなります。また多くの品に価格がついております。それは此処に在る全ての展示品がまだまだ現役として働けるからです。品々を見て何かひらめきがございましたら是非とも連れて帰ってやって下さい。年老いた紳士淑女へ新たな活躍の場を与えて頂けたら此の上ないことだと思います。