サッポロビール野瀬裕之社長とお話をして感じること。

野瀬裕之社長  サッポロビール第16代社長として、世界の飲料業界、そして我々が生業とする多くの外食産業をけん引され、業界に素晴らしい影響と刺激を与え続けておられる野瀬裕之社長。社長へのご就任は2021年。業界がコロナ禍で最も苦しんでいる時でした。
 
 私と野瀬社長との出会いもコロナ禍の真っ最中。ドリームリンク代表取締役会長の加治幸夫からの紹介でした。加治は物語コーポレーション(東証プライム 3097)で9期に渡り代表取締役社長を務め、会社を9期連続増収増益に導き、国内のみならず海外へも店舗を広げ、現在の物語コーポレーションの礎を築いた業界では著名な経営者ですが、コロナ禍で苦しむ地方に本社を置くドリームリンクを助けに駆けつけて下さいました。さらに加治は、私に様々な人脈を繋いでくれており、その中のお一人が野瀬社長だったです。野瀬社長と私は同じ年、そして驚くことに共に居酒屋「村さ来」出身だったのです。私は秋田で村さ来の地区本部として父と起業しましたが、同じころ九州大学経済学部の大学生だった野瀬社長は福岡天神にある村さ来で、焼鳥を焼いたり、皿をあらったり、ビールを運んだりとアルバイトをしておられたのです。
 
 「えー!村さ来ですか!!」。初対面の私たちは一瞬で意気投合、食事に行ったり、野瀬社長がドリームリンク本社のある秋田へ遊びにこられたりと、とても親しく楽しいお付き合いをさせて頂くこととなったのですが、私は「野瀬社長はなぜ天下のサッポロビールの社長まで登り詰めることが出来たのか?」ということにとても興味がありました。お酒を酌み交わし、同じ年として共通の話題に明け暮れ、時には深い議論を交わしていく中で、私が感じたことを「私が感じる社長への道」と勝手に書き留めたいと思います。
 
私が感じる社長への道「その1」
「話のポイントを正確につかむ能力」
 野瀬社長を囲んで様々な方々が色々なお話をされます。年齢も職種も違う方々とのお話ですから本当に多様な方々がいらっしゃいます、野瀬社長はいつも全ての方々のお話を黙ってお聞きになり、ポイントを見事に掌握されるのです。これにはいつも凄いなと感心させられます。そして、野瀬社長の回答を聞いて「なるほど、焦点はそこだったのか!」と勉強になります。洞察力、分析力など多くの能力が絡んでの能力なのだと思います。
 
私が感じる社長への道「その2」
「結論を見通せるセンス」
 「今なにをするべきなのか?」これは人々の、そして組織の永遠のテーマだと思います。「正しい選択が出来た者はより良い未来に身を置く」ことになります。つまり「今なにをするべきなのか?の正解率の高さが人生をより良い方向へ導く要因である」と言っても良いのではないでしょうか?「一寸先は闇」と言われるのが人生。その中で「今なにをするべきなのか?」の正解率を上げ続ける為には「訪れる未来の結論を見通せる眼力」が必要だと思います。この眼力こそが「センス」ではないかと思うのです。野瀬社長には様々な情報、経験などを基にそれを分析、さらに独自の直感も加わり結論まで見通せる眼力、つまり「センス」が備わっていると感じます。
 
私が感じる社長への道「その3」
「滲み出る優しさ」
 リーダーとして大切な要素に「優しさ」があります。私は厳しすぎてその優しさに欠けると女房に言われております。「感謝の気持」を上手に相手に伝える事が出来ないのだそうです。自分と比較して「どこが違うのかな?」と、ことある度に観察するのですが、中々明確な回答が見つかりません。そして得た私なりの回答として感じるのは「持って生まれた人間性」ではないかということです。だとしたら変えようがないということかといえば、決してそうではないと思います。リーダーとして私に備わっていないものは努力で備えなければならないと思うのです。「優しさ」ではなく「滲み出る優しさ」という人間になれるよう、私は60歳を過ぎて取り組んでおります。いつか追いつけるように頑張ります。
 
私が感じる社長への道「その4」
「リーダーとしての毅然としたオーラ」
 野瀬社長と部下の皆様との会話や行動を拝見していると、上司と部下の境い目を感じません。つまり壁がないのです。これって凄いなと思います。昭和生まれの私は「序列のけじめ」を求めてしまいます。「時代遅れだなぁ」とわかるのですが、小学校低学年からクラブ活動などで染みついているものをなかなか変えることが出来ないでおります。目上の方を敬うという序列のけじめが決して悪い訳ではありませんし、良い部分もあると思いますが、大切なのは「使い分け」なのだと思います。厳しいときは厳しく、求める時はぶれずに求める、その一方で笑顔や思いやりの言葉などがある。このような魅力ある上司に部下はついていこうとします。「この人のために」と思うのです。「叱咤激励」という昔からある言葉はリーダーが兼ね備えるべき大切なものの一つであるという基本を野瀬社長といると感じるのです。その礎となっているのが「リーダーとしての毅然としたオーラ」だと感じます。羨ましい限りです。
 
私が感じる社長への道「その5」
「背が高くてダンディ」
 身長186cm、モデルのようなスタイルでハンサムな野瀬社長。私はいつも見上げてお話をしております。こんなことがありました。サッポロビール本社がある恵比寿の交差点で信号待ちをしていた私は頭ひとつ飛び出している野瀬社長を横断歩道の向かいに見つけました。頭ひとつ飛び出ている野瀬社長は見通しも良いのでしょう、大衆の中で埋もれて信号待ちをしている私を見つけてくれました。私から野瀬社長を見つけるのは簡単でした、野瀬社長から私を見つけるのは難しいはずですが流石の気配りです。この頭一つ飛び出ている長身スタイルは露出の多いビールメーカー社長として武器になるはずです。どうにもかなわないことだらけですが、まだまだ書ききれないたくさんの「私が感じる社長への道」が積み重なって現在があるのだとつくづく感じます。是非「サッポロビール野瀬裕之氏」と検索してみて下さい。かっこいい眼鏡をかけ、ハンサムで、頭一つ飛び出ている野瀬社長がたくさん出てきます。
 
 現在、野瀬社長と新しいブランドを作り、全国へ展開していこうと計画しております。屋号は「丸昌(まるしょう)」、1号店を仙台につくります。実は、丸昌は東日本大震災があった時に、復興への貢献を掲げ「利益全額寄付」を目的につくった「復興支援酒場」が役目を終えた、その跡につくったお店です。しかし、火災になってしまいお店は消失してしまいました。
 
 コロナが明けたいま、ドリームリンクは私たちが所有する様々なブランドをフランチャイズ化するためにビールメーカー各社のお力を借り、水面下でより強いブランドへのブラッシュアップを行っております。そして、サッポロビールさんと取り組んでいるのが丸昌です。丸昌は朝から深夜までの通し営業で、赤ラベルと呼ばれるサッポロラガービールをメインに据えます。日本に唯一残る昔ながらの日本のラガービールは現在この「赤ラベル」だけとなりました。日本国としての誇りであるこのビールを全国隅々に、そして世界へと発信していくスタートを大好きで大切な友人である野瀬さんと取り組めることを光栄に思います。これからもご指導よろしくお願い致します。

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