採用情報
スタッフとの出会い
最上明彦さん
最上さんはドリームリンクの第一号社員です。ドリームリンクへ来る前は厨房機器を扱う会社の営業をしておりました。
新店舗を作っているときのことです。休日の誰もいない暗い工事現場で彼は一人で仕事をしておりました。「何しているのですか?」「仕事が詰まっていて自分も技術者の1人として手伝わなければお客様へご迷惑をおかけしてしまうので作業をさせて頂いております。休日におじゃましてすみません」と汗まみれの顔を、油だらけの手で拭きながら申し訳なさそうに答えてくれました。私は損得など考えず、お客様の為に休日返上でひた向きに働く彼の姿から発せられる空気にとても大きな可能性を感じました。
最上さんとの出会いは秋田市にあった結婚式場を併設した大型飲食店。彼も私も20歳の頃でした。彼はその店での支配人。私は時々食事をしに行っており、いわゆる客と店員という一般的な関係でした。最上さんはその後、大手ハンバーガーチェーン店が秋田に進出してくるときに誘われて入社し、そこで優秀な成績を修め表彰も受けておりました。そんな順風満帆な彼がなぜ厨房機器の会社にいるのかということを聞いたら「今までは外食の内側にいましたが、今度は外から見てみたいと思いましてこの会社へ転職しました」とのことでした。
「新しい会社を興そうと思っているが一緒にやらないか!」私は寿司屋のカウンターで最上さんにそう話をしておりました。真面目で能力があり、物事を考えしっかりと見据えて行動をする最上さんを尊敬申し上げ、その後プライベートでよく食事に行く仲になっていたのです。「世の中の役にたつ組織をつくりたい」「社員を幸せにする会社を作りたい」「世界へ影響を与える会社を作りたい」私は将来の夢を語っておりました。何度も会合を重ねるうちに2人は意気投合し最上さんはまだ設立してないドリームリンクの第一号の社員となったのでした。
最上さんは現在、営業のトップとし1,000人を超えるスタッフの陣頭指揮を執っております。あの頃と同じようにどんなことがあっても弱音を吐かずに、裏表なく、丁寧に確実な仕事をこなしてくれております。私たちは一緒に山を乗り越え、壁に穴を開け、谷を慎重に渡ってきました。力を合わせ何度も訪れた倒産の危機を回避してきました。日々、楽しそうに働いている彼をみると「一緒に仕事ができてよかったな」と今つくづく思います。
私が知る多くの会社は年老いたスタッフを大切にしていない気がします。老いると体の無理が利かなくなります。しかし給料は高くなっています。会社としてみれば動けなくなった老兵を雇うよりもその高給で2人の若い兵士を雇った方がいいわけです。「そろそろ定年なのだけど早期退職を考えている。村上のところで雇ってもらえないか」という類の話を最近多くの友人から頂くようになりました。聞いてみるとあの手この手で仕事や立場を奪われ、会社に居づらい環境に追いやられているそうです。それを耐えて会社に残っても給料が半分になってしまうという人もおりました。とてもショックな話でした。間違っています。その会社があるのは彼らが若いころに一生懸命頑張って会社を支えたからです。
世界中には長寿の地域が多く存在しています。その地域を調べてみると長老を大切にする習慣が共通して根付いていることに気づきます。年老いて無理が利かなくなった長老を皆でいたわり、大切にする。そして経験豊富な長老を囲んで貴重な体験や考え方を聞くのです。長老は若者と触れることで元気になっていくのだと思います。ドリームリンクには「企業国家論」という経営哲学があります。その根幹は「国民を幸せにする」というものです。つまり企業がひとつの国であるとしたら老後が楽しく、充実し、生き甲斐がある国にしなければなりません。老後も活き活きと仕事ができる国でなければなりません。
最上さんは今、どんどん新しい仕事にチャレンジしております。その仕事ぶりは若いスタッフの手本となり、彼らに多くの刺激を与えております。そして彼らから絶大な信頼と尊敬を受け活き活きと仕事をしております。ドリームリンクには創業当時から働いているスタッフが現在10人ほどおります。当時の社員数は15人ほど。それを考えると、入れ替わりが激しとされているこの業界において凄いことだと我ながら感じます。皆さん、定年を迎えておりますが最上と同じように毎日活き活きと働いてくれております。彼ら、彼女らの姿を見るといつまでも健康で幸せに働けるようにもっともっと良い国を作っていかなければならないと感じます。最上さん、古いスタッフ、そして新しいスタッフと力を合わせて国民が幸せになる素晴らしい国作りの決意を新たに致す次第でございます。
代表取締役 村上雅彦